監督不行届(安野モヨコ著)

カントクくん(≒庵野秀明監督)・ロンパース(≒安野モヨコ)夫婦のオタク的生活をコミカルに綴ったマンガ。
自らの家庭生活を描いた私小説的マンガは数あれど、その中でも秀逸な作品。
オタク的語彙で埋め尽くされているが、それをうまく万人が楽しめる内容になっている。決して、私が解説なんかなくてもほぼ理解して楽しめたから ではない。…と思う。

しかし、オタクって言葉はいまだに少しひっかかるんですよね。
その語源であるイヤーな人間の代名詞というのが、頭からなかなかとれない。
むかーしむかし、そのテの人達が、人と呼び合う時の二人称に困っておったとさ。
「きみ」や「あなた」では気恥ずかしく、「くん」や「さん」付けにすると自分のほうが下であるかのようで気にくわず、呼び捨てにするほどの度胸もない。
そこで使われ出したのが「おたく」。(ある意味呼び捨てより横柄だと思うが)
あまり知らない同士ならいざしらず、仲間や友人同士にまでこれを使うもんだから、そこらじゅう「おたく」の嵐。
それを外部から見て異様に思った人たちが、あいつら「おたく族」だぜ(笑)ってことになったとさ。とっぺんぱらりのぷう。
実際のところはよく知らないが、確かこんなふうだったと解釈している。
このエピソードが、オタクというものを端的に表しているような気がしてならない。
今現在は「そっち系のマニア」程度の意味合いだし、場合によっては敬意をもって呼ばれることすらあるが、「おまえは小心者のくせに自意識ばかり強く、独りよがりなコミュニケーション力欠如人間だ!」と宣言されているようで。
だが、そんなのを気にしていることこそ、それに囚われている証。ダメダメです。
ここで描かれているカントクくんは、そんなものを突き抜けた存在だ。
いまだ煩悩に悩める俗人を教え導く、悟りの人と言っていい。
夫婦の在り方とは? 人の在り方とは? どのように生きていけばいいのか?
そうしたことを教えてくれる一冊なのです。
実を言えば私のモットーは、笑顔とアニソンを欠かさぬ家庭。
我が家でも庵野家の如く、コーラスを入れるように早くなって欲しい。
ひ~とり~ ひ~とり~ カムイ~~ (カムイ~)

| 固定リンク
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/74955/2884646
この記事へのトラックバック一覧です: 監督不行届(安野モヨコ著):

コメント