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ゲド戦記

封切り初日、さっそく観に行ってしまった。

Tales_from_earthsea

これ、原作を知らないと、ちょっとツラいんじゃないか。
突然説明無く、ロークやらアチュアンやら言われても。
最後は、ほとんど伏線なしにアレですもの。

わざわざ入れてある原作設定が、映画内では無意味だったりもするし。
かといって原作に忠実って訳でもなく、熱烈なファンだったらまず怒るだろうなあ。
原作は当然読み、本作はオリジナルとして観る寛容さが必須。(笑)

話の破綻箇所は挙げきれないのでそこは無視しつつ、中身なんですが。
舞台を限定しているのもあるけど、アースシーの世界そのものがすごい狭く感じる。
必要な部分に必要最低限、モノとキャラを配置しましたってだけではねぇ。
味のある顔した単なる通行人とか、表情だけで語る有象無象の群衆とか、そういうものがないと、アニメじゃリアリティは出ない。

自然の風景だって実際は、草木一本一本生きてるんだし、風はいろんなとこから吹くし、空模様だって雲の形とか刻々と変化してる。そこを表現してる宮崎駿はやはり偉大だと思ったり。つい比べちゃうほどキャラのタッチを似せるのもどうかと思ったり。
逆にそれ自体動きのない、オブジェや建物や都市なんかの人工物はいいんだが。
パースの取り方や巨大さの表現は、さすが元本職。

それにしたって、「映像」が弱い。
「言葉」の部分に関しては、いいと思うんだわ。
セリフはよく練り上げてあるし、声優はどれも合っている。

しかし、主人公の抱える不安や恐怖ってのは、映像化するとその程度なのか?
彼が感じている、社会の理不尽や悪意ってのは、そんなもん?
ここが弱いから、たぶん観た人の大半に、肝心の言葉が届いてないんじゃなかろうか。
惜しい。実に惜しい。

Dragon2

ま、でも初監督だもんね。しかも映像関係出身でないことを考えればよくやったほう。
今回のは特に、いろんなフィルターをかけて観てしまいがちだが、それを一枚一枚取り除いていきゃ、さほど悪くはなかったかなーと。

それより問題を感じたのは、映画宣伝のやり方。「イノセンス」の愚を繰り返すのか。
だいたい、宮崎駿アニメのように、万人に喧伝すればいいって映画ばかりじゃない。
意図的に話題作りをし、広告費を湯水の如く使えば、一時の興行収益は何とかなるだろうが、無理矢理集客したことにより望まなかった客の反感を買って、長期的には逆効果になってやしないか。

マニアックな作品や、新人監督の作品なんて、それ相応に世間への出し方がある筈。
騙された!って、観客やル・グウィンが怒ってないのを祈るばかり。

不満だった人への言い訳の為にも、宮崎吾朗監督の次回作は決まりましたな。
実はエピソード3なんでした~とか言っちゃって、次は「ゲド戦記・エピソード1」。
なんにせよ、次があるといいね…

Dragon3

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