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鉄人28号 白昼の残月

初日行ってきちゃった。
実は元々観に行く気なかったし、つーか直前まで忘れてたし、たまたま当日近くに行くことがあり、ちょうど時間あって席がギリギリ空いてただけ。
これとの出会いは多分に偶然の産物だが、今は運命だったと感じている。

Tetsujin28

なんせ、封切りは単館上映、宣伝もほとんどナシ。
天下の今川泰宏監督作品としちゃ、不当過ぎるともいえる処遇。
こんなことなら、これまでどおりOVAかTVで良かったんじゃないか?と思ってた。

しかし、本編観てみりゃ、こうまでして映画でやった意味は即座に理解。
鉄人の巨大さを魅せるための大画面、地響きを感じるほどの大音量、これを表現するためには、絶対映画館でなくてはならん。
怪獣映画に通じるとこもあるが、見せ方はさらに洗練され、映画上映に特化している。

キング・コング同様、映画館へわざわざ足を運んだ甲斐があったというもの。
そういや、今川泰宏監督と鉄人28号との関係は、ピーター・ジャクソン監督とキング・コングの関係に似ている。
異常なほどの思い入れで、原作以上に本物らしい世界観を作り上げてるとことか。
「ショタコン」言っちゃったり、正太郎モロ出しなど、こちらがヒヤヒヤするほどの、彼らしい冒険も多いが。

そして、当時の映画の雰囲気作りが、素晴らしく上手い。
わざと過度なナレーター、ニュース映画、時代がかったエンドロール、音楽・伊福部昭!
素材は横山光輝版に忠実な「鉄人」。こりゃービンビン来ます。来まくります。

また、舞台の昭和30年代は、戦争の負の遺産が色濃く残っていた筈であり、当然のように復員兵や不発弾なんてものが、言葉だけでなく作品に大きく関わってくる。
「三丁目の夕日」とかで描かれる、明るいだけの時代じゃ決してなかったと。
もちろん希望に満ちていたのも事実だが、とことん暗い部分があったのも事実なんだと。

そういったリアルさもあり、現在とんと見られないベタなハチャメチャさもあり、昔々映画館で確かに味わった、熱気・興奮・感動というのを思い出させてくれる。
いや、作品そのものの出来云々じゃなくて、過去の記憶を刺激する仕掛け満載なため、すっかり忘れていた映画に対する全ての情動がドッと甦る感じ。

作り込みという点では誰も文句つけられまいが、面白いか面白くないかは、このスイッチが入るか否かにかかっている。
もうね、作品がどうのというより、「映画」を堪能させてもらいましたよ。
今川泰宏、おそるべし。

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