ハエ捕りを極める
窓を開ける時は網戸厳守にも関わらず、どうしたものか稀に、ハエが紛れ込んで来る。
今回のは、ショウジョウバエほど小さくないイエバエ、つまり一般に言うハエ。

こんなこともあろうかと買っといたものがあるのさ。 「氷殺ジェット」出動!
スプレーすると、気化熱でマイナス40度まで急冷し、虫を凍らせる最終兵器。

ま、ダメでしたけど。やっぱり。
確かに、蚊やショウジョウバエが対象って説明書きにあるです。ハエ大きすぎるです。
しかしね、こないだ蚊で試したらさ、標的が軽いからか噴射の勢いでブッ飛び、何度試したって一向に死なないわけよ。
そんで、相手がハエでも同じ。大きい分だけ余計効かねえ。
しかも、うっかり体にかけたら、有機溶媒のようなものがベットリ。
成分表によれば、プロパンだけでなく、イソペンタンってのが入っている。
調べてみると、大して強くなかろうが毒性あるし、アルカンてグループに属すんだけど、兄弟に例えるとすぐ上の兄貴にあたる(一番似てる)ヘキサンは吸うと危ないヤツなんですが? それより気化しやすく吸入しやすいのを、部屋に振り撒くってどうよ。
発想自体はすごく面白くても、現行商品の安全性についてはどうなんだろう。
殺虫成分を含まない → だから安全 と消費者が信じることを明らかに狙ってるよねえ。
これを安全と言うならば、従来の殺虫剤はよっぽど危険なのだろうか。
なんてこと言ってる間に、この製品は回収処分ですって!
引火騒ぎが相次いだらしい。そりゃ油を噴射してんだもんな。
メーカー・ユーザーとも傷の浅いうちに引き上げて、まだ良かったのかもしれん。
最初で最後、もう買うことすら出来ない、真に最終兵器だったよ…
結局また騙された!と、思わず外へ飛び出た私が、失意による流浪の末、一縷の望みをかけて手にしたものは、ハエ捕りリボン。商品名「リボンハイトリ」。
ぶっ叩いて潰すのも衛生的によろしくないし、これこそが安全確実だと思えたのだ。

ビロビローンと伸ばし、吊り下げる。昔使ってた訳じゃないのに、なんか懐かしい。
設置してはみたものの、そう簡単に捕まってくれないよね。待つ身はツラい。
そうこうしてると、食卓にピタッと留まって、手スリ足スリしてやがる。こやつめ~
敵を目前に、悠長なことしてられん! 俺は攻めに行く!
ハエ捕りリボンの両端を持ち、ピーンと伸ばしたまま、じりじり距離を詰める。
そーっとリボンをハエに近づけて… ありゃ、ほんとにハエ引っ付いた。
こんな方法が、まさか一発で成功するとは思わなかった。
凄いぞ、ハエ捕りリボン。 強いぞ、ハエ捕りリボン。 さすが伝統のハエ捕り。
その威力はいつの時代も揺るぎなく、さらに新しい攻めの境地まで開けた!
心を無にし、ハエ捕りリボンを構えよ。されば、ハエはおのずから滅す。
これぞ、ハエ捕りの極意なり。

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」って、真顔で命令されちゃうんだろか。



































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