今年読んだマンガを振り返ってみる2007
このお題を大晦日に書くのが義務みたいに思ってたけど、あっさり年越しちまいました。
でも、やっぱり気になるんで、書いとこう。
「星降る夜は千の眼を持つ」(上野顕太郎著)

「夜は千の眼を持つ」の続刊。
今回の「あとがき」で書かれているとおり、作者の家庭に数年前突然の不幸があった。
これが自分に起きたことだったら…と考えるのさえツラい出来事だし、好きな作家だけにことのほか心配で見守ってきたんです。
その後、マンガ以外にネット等での活動を知り、実際に会う機会にも恵まれたり、その頑張りや人柄を知るにつれ、よりいっそうファンになった。
プロ根性スゴイ人は他にだっているが、仕事でもノーギャラでも全力投球なんだもん。
そして当然、マンガのほうは読めばわかるとおり、パワーも質も全く落ちていない。
思い入れあるから、もう私には純粋に作品だけを評価することが難しくなってしまったけど、それでも、この作品はモノスゴイ!と断言出来る。
「風雲児たち 幕末編」(みなもと太郎著)

幕末漫画を描くはずだったのに、それにはそこへ至る過程を描かねばならんと、関ヶ原まで遡って約300年の歴史を描いたのが、前作「風雲児たち」。
こんなペースじゃ幕末までいくとは到底思えなかったが、20年ほどかけて見事描ききり、ちゃんとこうして幕末編に到ってるんだから、凄まじい。
中身は、教科書的な歴史じゃなく、史実を無視した荒唐無稽な物語でもない。
学校で習うものと別に、一般には無名な人物や事件にもスポットを当て、我々が習ってきた事以外にこそ、歴史を動かす重要な事実があったんだと、教えてくれる。
またそれを、コテコテの古ーいギャグマンガのノリで展開するんだわ。
古いんだけど、様式美のようにテンポ良くビシッと決まってて、そこも凄まじい。
「バカ姉弟」(安達哲著)

久々の新刊。
最初見た時、あまりにほのぼのしてて、こんな作風になったのか!と、驚いた覚えが。
だけど、やっぱセンスいいし、端々に感じられる安達哲テイストは健在。
ナンセンス系マンガではあるが、ギャグものにありがちな「ずっと続く変わらない日常」だけでなく、成長したバカ姉弟の「その後」まで、描かれたりもする。
「さくらの唄」ほどの衝撃作品ではないが、印象的で心に残るという点じゃ、この人のは一貫してるんだな。
「ラディカル・ホスピタル」(ひらのあゆ著)

分類するならば、病院ドタバタコメディ四コママンガか?
医者とナースと患者達の織りなす日常を、ギャグタッチで描いた作品。
しかし、このテーマで長く連載を続けていく中、本気で作品に向き合う作者なら、現代医療の抱える問題であったり、倫理的な領域や死についても、触れざるを得ない。
それでも四コマ。必ず4コマ目で明るいオチ。 なんか健気で応援したくなるんよねえ。
「とめはねっ!」(河合克敏著)

名作「帯ギュ」のテイストが、そのまま残ってる感じ。
やはり、この作者には学園モノのほうが合ってるような気もする。
書道を題材にするのって、マンガとしては珍しいジャンルだし、しかもそれを文化系でなく体育会系的なノリで描くのは面白い。
女性キャラを各種取り揃え、やや戦略的な匂いがするのは、さすが年季入った漫画家。
これの影響で、書道部に入る男子が増えるのだろうな。部員の大多数が女子だってとこに釣られて。皆せいぜい妄想を膨らませるがいいさ。(笑)
「よつばと!」(あずまきよひこ著)

代表作「あずまんが大王」は、私的にさほどでもないんです。
独特の「間」の取り方とかせっかく面白いのに、四コマではもったいないというか。
でも、その良さを「よつばと!」では、もっとうまく活かしている。
おそらく、パロディ系出身の人だと思うんだが、そっからきちんとしたオリジナルへの移行には、誰もが苦労するところ。
ようやく、自分のマンガを確立してきた。と、もう完全に認められると思う。
「鋼の錬金術師」(荒川弘著)

いまさらですが、物語も佳境に入ってきたので。
この作品には、「等価交換」という重要ワードが、しばしば出てくる。
そのため「錬金術」という技が万能でない縛りになってるし、実際の現実世界だとて必ず何かを犠牲に何かを得ている等価交換(等価とは限らんが)なのであるから、これによって作品に厚みが増している。
ほんと、才能ある漫画家だと思う。ハガレンを取り上げといて何ですが、個人的には酪農マンガ?の「百姓貴族」(ウンポコ掲載)が一番面白かったり。(爆)
北海道の大自然は、良質な牛乳のみならず、良質な漫画家をも産み出すのだろうか。
「きのう何食べた?」(よしながふみ著)

「BL」「食い物」という二大主力武器を引っさげ、週刊モーニング誌に殴り込み。
現実にこういった方々が悩むであろう諸問題がテーマであったりとか、一種の幻想としてのBL好き読者には支持を受けにくそうな内容。オヤジ同士だったりもするし。
女性誌では描きにくいから男性誌で。という理屈ももっともだが、傍から見ると男性誌でのBLものってのは、とてつもない大冒険。
こんな雑誌でこんなのを?!と、いつもビックリな攻めの姿勢にはワクワクさせられる。
「カメオドール」(田村てまり著)

亀を題材にしたマンガは今までもあったが、ここまで亀への愛情溢れるマンガはない。
よって、亀好きは絶対読むべきであり、亀好きでないなら読む必要は全くない。
読む必要はないが、これを読んで亀の良さを知って欲しい。
ここで、亀の魅力を語りたいところですが、作品からの引用に代えさせていただきます。
「カメの甲羅には夢がつまっている。皆、揺るぎない信念を持っているからこそ
その甲羅は固い。(※特殊な甲羅を持つカメを除く)」
「ハムスターの研究レポート」(大雪師走著)

ネズミ年だからって、とりあげる訳じゃないですが、いきなり新刊出てて驚いたから。
以前「メロディ」という雑誌に掲載されていたのがなくなり、充電中かなあと思ってたら、どっこい「シルキー」に移って続いてたとは。
だいたい、白泉社は意味なく雑誌作りすぎ。大雪師走と羅川真里茂と樹なつみさえ移ってくれれば、もう「メロディ」一本でいいよ。
それはともかくとして。
ハムスターネタだけで、ここまで長く続けてるのはスゴい。(若干猫ネタありますが)
意外性のないお決まりのネタながら、マンネリだと感じさせないのが不思議。
ハムスターへの愛情と、マンガへの愛情の為せる業なのか。
ハムスターブームの火付け役なだけはある。 ネズミ年で再ブレイクするといいね。
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