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三渓園

訪れるまでは、「日本各地の建築物を集めて作った庭園」という認識しかなかった。
有名だから一度行ってみたいと思いつつ、ついでで行くには中途半端な場所にあるし、どうしても行きたいわけじゃなし、なかなか思い切れなくて。
今回せっかく近くに来て、ちょうど桜も満開。で、思い切って行ってみる。

まず入ってパッと見渡した限りは、桜の名所としちゃ特にどうと言うほどじゃないなぁ… なんて印象を受け、貴重な桜満開の時機に来る場所をハズしたか…? と、やや落胆。
人だけはやたらと多いので、静けさは全く期待出来ず、余計にガッカリムード。

しかし、落ち着いて眺めてみれば、桜以外にもいろいろあるじゃありませんか。
三重の塔は小山の上に建っており、下から見上げる視覚効果で、実際より遙かに高くそびえ立って見える。
塔と山と池、この見事な配置に桜が映えて、かなーりカッコイイ風景じゃないの。

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これを目指して山登ってみると、今度は頂上から眺める下界の景色にヤられる。
桜はそんないっぱいあるんじゃないのに、木々のモザイク模様がうまい具合に桜を際ださせ、真ん中にアクセント良く、寺の本堂がドーンとあるわけさ。

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むう。 ちと侮ってた。
いわゆる大名庭園も、洗練されて素晴らしいとは思うが、そうした品のいいお庭にはない、心沸き立つような魅力。
建物だって仏閣や茶室だけじゃなく、合掌造りの家もあるし、素朴な小屋まであんの。
日本庭園というよりは、超リアル指向の巨大ジオラマなんよ。

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創設者の三渓さんが、気に入った建物を片っ端から移築したんだろうけど、ただ集めただけではチグハグで趣味の悪いテーマパークもどきになりそうなものなのに、自然の景観との調和を計算した上で、全体が完璧な「日本の風景」として成り立っている。
いや、「日本の風景」のエッセンスだけを寄せ集めた、「理想の風景」ですな。

たぶんこういうのは、古今問わず多くの人々がチャレンジしてきた筈。
ただ、財力とセンスがここまでなかったため、「変な箱庭」で皆終わってるんじゃろう。
私も「大富豪になったら実行するリスト」に、「三渓園みたいな最高の庭園を作る」という項目を追加しようと思ったけど、これだけのセンスを持ち合わせてないのが口惜しい。

日本の原風景が見たくなったら、京都や白川郷を回らなくたって、ここ来ればいいのね。
心の拠り所が一つ出来たようで、安心した。


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